がん保険と医療保険

入院したときに経済的に助かるのが、医療保険とがん保険です。

医療保険

医療保険は、病気・けがをして入院した場合に、入院1日に5千円なり1万円が入院給付金として出るという保険です。入院給付金のほかに手術をしたら手術給付金もパッケージになっています。通院給付金は、オプションになっているパターンが多いですね。

医療保険は支給日数に制限があり、入院給付金なら1回の入院で60日までや120日までで、通算で1095日までといった制限を設けています。

通院給付金は入院前30日、入院後120日までの通院で30日まで対応といった制限があります。

ここらへんの日数は、保険会社によって違ってきます。

この頃のはやりとして、入院給付金がミニマム5日間で、1日の入院でも5日分は支給されるという設定が多いですね。

 

がん保険

がん保険は、がんの治療の場合に出る保険です。

基本パターンとして、

がんと診断されたら、「診断給付金」として一時金で100万円など。

入院したら「入院給付金」として入院1日あたり1万円など。

通院したら、「通院給付金」として通院1日あたり1万円など。この頃のがん保険は、がんで入院しなくても、がんの治療で通院する場合に支給という設定がメジャーです。

手術・放射線治療をしたら「手術・放射線給付金」

またこの頃は抗がん剤・ホルモン剤治療をする場合は、通院が多いですが、「抗がん剤・ホルモン剤治療給付金」というのがあり、治療をする月あたり5万円といった給付金も出てきています。抗がん剤・ホルモン剤も薬価はそこそこしますが、公的医療には「豪額療養費制度」というのがあり、ある一定の自己負担額を超えたら、その超えた分は健保組合などが面倒みてくれる制度ですが、その自己負担額は支払わなければなりません。抗がん剤・ホルモン剤治療は長期にわたる場合が多いので、その間自己負担額を毎月支払うのも家計的につらいでしょうから、その場合にこの給付金が生きてきます。

また、先進医療としてがんの治療の場合は「陽子線」「重粒子線」がありますが、両者とも300万円程度かかり、保険外治療ですので、10割自己負担となります。その場合には「先進医療特約」が生きてきます。この頃のがん保険は2000万円までカバーするというのが多勢です。

診断給付金は、はじめてのがん宣告の場合に1回限りとなりますが、「診断給付金複数回特約」というのもあり、これをつければ、2回目・3回目のがんでも一時金が出て、安心です。

また、がんになったらその後の保険料支払いが免除になるという特約もこの頃のがん保険のはやりです。

 

見直しのポイント

医療保険は、入院したら1日当たりいくらという保険で、昔からあまり変化(進化)はありません。入院給付金ミニマム5日間という設定ができた程度です。

それに比べてがん保険ですが、昔のがん保険は「診断給付金」と「入院給付金」だけか、通院給付金があっても入院を20日した場合のあとの通院といった制限があり、昔は1カ月の入院は当たり前でしたが、今は医療技術の発達や診療報酬の設定変更で、14日を超える入院はなかなかさせてくれません。腹腔鏡や胸腔鏡の手術ですと傷が小さいので、傷がなおれば退院ですので、ますます入院期間が短くなります。腕が良い医者なら、肺の半分を切除して4日間の入院で退院といった感じです。

医療技術の発達やがんの治療方法の変化で、昔のがん保険ではいまの治療方法にマッチしていない保障もでてきています。

医療保険はあまり変化がないので、そんなに見直す必要は感じませんが、がん保険はがんの治療方法の変化に応じて保障内容が変化(進化)していますので、がん保険は数年ごとに見直していく方がよいと思います。

ただし、年齢が上がると保険料が高くなりますので、家計に余裕があればがん保険を全部見直してもいいですが、年齢が高くなり保険料が驚くほど高くなる場合は、がん保険全部を見直すのではなく、通院以降の保証のみというがん保険もありますので、そのような保険を上手に組み合わせて、財布と相談しながら自分に合った保険に加入するのが良いと思います。